お母さんのエネルギー不足(やせ)や栄養素不足は生まれてくる赤ちゃんの低体重に繋がります。
2500g未満で生まれた子どもは『低出生体重児』と呼ばれ、成人後に肥満や糖尿病などの生活習慣病になるリスクが高まる可能性があることが報告されています。
特に日本は先進国の中でも小さい赤ちゃんの割合が高く、問題となっています。
*低出生体重児が後に肥満やメタボになる仕組み
*世界各国の低出生体重児割合(2021年度)
妊娠前からやせすぎている女性(BMI<18.5)はふつう体型の女性に比べて早産や低出生体重児を出産するリスクが高いことが報告されています。また、ふつう体型の女性でも妊娠期間中の体重増加が少ない(7kg未満)場合は低出生体重児を出産するリスクが高いことが報告されています。
健康な赤ちゃんを出産するためには妊娠前、妊娠中共に適切な体重維持が重要となります。
*妊娠中の体重増加指導の目安
適切な体重を維持し、栄養素を補給するためには、バランスの良い食事が不可欠です。妊産婦のための食生活指針では、エネルギーや栄養素不足を解決するために、『主食』『主菜』『副菜』が揃ったバランスの良い食事を推奨しています。
妊娠期に特に必要な栄養素はいずれも摂取の推奨量と比較して摂取量の平均値が少ない状況です。
*妊娠後期女性の各栄養素摂取の推奨量と30代女性(非妊娠時)摂取量の平均値の比較
ビタミンB12とともに赤血球を作るので「造血のビタミン」とも言われます。DNAの合成にも必要な栄養素であるため、妊婦にとっても欠かせない栄養素。ほうれん草から見つかり、緑黄色野菜に特に含まれます。
赤血球をつくるヘモグロビンの構成成分で酸素の運搬に必須。畜肉や魚肉に含まれるヘム鉄とそれ以外の非ヘム鉄があります。ヘム鉄は赤身の肉やあさり、非ヘム鉄は小松菜や大豆製品に多く含まれます。
炭水化物・脂質と並んで3大栄養素の一つ。筋肉や骨、血液の材料となり、肉類、魚介類、卵類、豆類、乳類など広く食品に含まれています。
骨や歯の形成に関わり、体内に多く含まれているミネラル。乳製品、豆類、小魚などに多く含まれます。緑黄色野菜にも含まれていますが、食物繊維やシュウ酸が吸収を阻害するため注意が必要です。
視覚作用や皮膚・消化管の粘膜バリア機能を正常に保ちます。レバー等に含まれている他、緑黄色野菜に含まれるβカロテンは必要に応じて体内でビタミンAに変換されます。