幼児

現在の課題:幼児期(3歳~6歳)の肥満

本来スリムであるはずの幼児期に太りすぎてしまうと、将来の健康に影響を与えます

こどもの体型は1歳~2歳頃までは脂肪が蓄積されますが、その後は6歳頃まで脂肪は減少しスリムになるとされています。本来スリムであるはずのこの時期に肥満になってしまうことで、その後やせにくくなってしまい、メタボや生活習慣病につながることがわかっています。

*肥満度の区分について

出典:厚生労働省 乳幼児身体発育調査の統計学的解析とその手法及び利活用に関する研究
   3歳以上の幼児の肥満度判定区分の簡易ソフト
http://www.niph.go.jp/soshiki/07shougai/hatsuiku/

*肥満度別 保護者の子どもの体格に関する認識(回答者:2-6歳児の保護者)
幼児期の食や体格は周りの大人が気を付けてあげる必要がありますが、保護者が正しく体格に関して認識できていない場合も見られます。

   
出典:厚生労働省 平成27年度乳幼児栄養調査結果 を加工して作成

なりたい姿:将来も健康的に過ごすために、健康的な食と生活の基盤をつくる

周囲の大人が気を配り、健康的な食と生活の基盤をつくりましょう

幼児は自分で体調管理をすることができないため、周囲の大人の食生活や生活習慣の影響を受けます。幼児が太らないようにするためには食事、運動、生活リズムについて大人が気を配ることが大切です。

肥満にならないための食事

*食習慣

  • 1日3回の食事と1回の間食が基本
  • 主食・主菜・副菜を組み合わせる
  • 大皿盛りにしない
  • 早食いを避け、よく噛んで食べる
  • 孤食は避け、家族で楽しく食べる

*食事内容

  • 主菜は肉類に偏らず、卵類や魚介類もとる
  • 魚介類、豆類、野菜類、海藻類を増やす
  • 塩分の多い加工品、調味料を控える
  • 外食や甘い飲料を控える
適切な運動

幼児期は、神経系の成長発達が著しい時期なので、この時期に体を使って十分に遊ばせることは、体力の向上や健康な体の育成だけでなく、心身や社会性の向上にも役立ちます。肥満予防だけでなく、心身の健やかな発展のために『様々な遊びを中心に、毎日、合計60分以上、楽しく体を動かすこと』が望まれます。

出典:文部科学省 幼児期運動指針 を加工して作成
生活リズム

睡眠不足や朝ごはんの欠食は幼児が肥満になる原因と言われています。幼児期から正しい生活リズムを身につけ、健康に過ごすためにも『早寝』『早起き』『朝ごはん』が大切です。

*早寝・早起き・朝ごはんのそれぞれの役割

早 寝
・心身の疲労の回復
・成長ホルモンの活発な分泌
早起き
朝の光を浴びることでスッキリ
と目覚め集中力が高まる
朝ごはん
・1日の活動のための準備
・便秘の解消
出典:文部科学省 「早寝早起き朝ごはん」国民運動の推進について を加工して作成

注意したい栄養素

幼児においては肥満予防のために適切なエネルギー量を維持しながら、不足しがちなカルシウムや鉄を補給する必要があります。

*3~5歳 男児(1日当たり)

*3~5歳 女児(1日当たり)

※ エネルギーの推奨量は身体活動レベルⅡ(普通)の場合の推定エネルギー必要量を記載
出典:平均値 厚生労働省 平成28年度国民健康・栄養調査
   推奨量 厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版) を加工して作成

補給したい食材 

カルシウム

骨や歯の形成に関わり、体内に多く含まれているミネラル。乳製品、豆類、小魚などに多く含まれます。緑黄色野菜にも含まれていますが、食物繊維やシュウ酸が吸収を阻害するため注意が必要です。

出典:文部科学省 日本食品標準成分表2020 年版(八訂)
   小山祐子 他 サービングサイズ栄養素量100-食品成分順位表第2版(2017年)第一出版 を加工して作成

赤血球をつくるヘモグロビンの構成成分で酸素の運搬に必須。畜肉や魚肉に含まれるヘム鉄とそれ以外の非ヘム鉄があります。ヘム鉄は赤身の肉やあさり、非ヘム鉄は小松菜や大豆製品に多く含まれます。

出典:文部科学省 日本食品標準成分表2020 年版(八訂)
   小山祐子 他 サービングサイズ栄養素量100-食品成分順位表第2版(2017年)第一出版 を加工して作成