高齢者

現在の課題:低栄養が要介護状態につながる可能性

後期高齢者が陥りやすい「低栄養」の問題の重要性が高まっています。

75歳以上のいわゆる後期高齢者が要介護状態になる原因として無視できないものに、「認知症」や「転倒」と並んでフレイルがあり、低栄養と極めて関連が強いと言われています。適切なエネルギーを摂取することで体重を維持し、 衰弱を防ぐことが重要です。 また、 加齢による筋肉減少や骨粗鬆症による転倒や寝たきりを防ぐために、 たんばく質をはじめとした栄養素の摂取や運動が必要であることも明らかになっています。

*フレイルとは
加齢に伴い、心や体のはたらき、社会的なつながりが弱くなり、放置すると、要介護状態になるリスクがある状態。適切な取り組みを行えば健康に戻ることができる。
わかりやすい指標の一つに、栄養不足による体重減少がある。
出典:高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン第2版 令和元年10月厚生労働省
   食べて元気にフレイル予防 厚生労働省 を加工して作成
*介護が必要となった主な原因割合(令和4年)
出典:令和4年国民生活基礎調査 現在の要介護度別にみた介護が必要となった主な原因の構成割合 を加工して作成

なりたい姿:適切な栄養、運動、社会参加で健康寿命を延ばす

栄養、身体活動、社会参加を見直し、活力に満ちた日々を送りましょう。

エネルギー摂取で体重を維持し、筋肉減少や骨粗鬆症による転倒を防ぐために、たんぱく質やビタミン等、まんべんなく摂りましょう。身体活動や社会参加も重要なポイントです。

食べて元気にフレイル予防!
①3食しっかり摂りましょう
②1日2回以上、主食・主菜・副菜を組み合わせて食べましょう
③いろいろな食品を食べましょう

料理が大変な場合は市販の惣菜や缶詰、レトルト食品なども活用してみましょう。

身体活動 ウォーキング・ストレッチなど

身体活動は筋肉の発達だけでなく食欲や心の健康にも影響します。今より10分多く体を動かしましょう。

社会参加 趣味・ボランティア・就労など

趣味やボランティアなどで外出することはフレイル予防に有効です。自分に合った活動を見つけましょう。

出典:食べて元気にフレイル予防 厚生労働省 を加工して作成

補給したい栄養素

フレイル予防にはやせないためのエネルギーの摂取、筋肉維持のためのたんぱく質、骨折リスク軽減のためのビタミンDが重要であることが明らかになっています。

出典:日本人の食事摂取基準(2020年版) を加工して作成

補給したい食材

たんぱく質

炭水化物・脂質と並んで3大栄養素の一つ。筋肉や骨、血液の材料となる。肉類、魚介類、卵類、豆類、乳類など広く食品に含まれています。

出典:文部科学省 日本食品標準成分表2020 年版(八訂)
   小山祐子 他 サービングサイズ栄養素量100-食品成分順位表第2版(2017年)第一出版 を加工して作成
ビタミンD

カルシウムとリンの吸収を促進し、不足するとくる病や骨軟化症の発症リスクが高まります。ビタミンDを含有する食品は限られており摂取源の75%を魚介類に依存していますが、紫外線を浴びることで皮膚でも合成されます。

出典:文部科学省 日本食品標準成分表2020 年版(八訂)
   小山祐子 他 サービングサイズ栄養素量100-食品成分順位表第2版(2017年)第一出版 を加工して作成