パンの起源

パンの伝来は、16世紀半ば、室町時代後期に種子島に漂着したポルトガル人船員やキリスト教宣教師などからです。パンはポルトガル語の“Pao”からきていると言われています。明治初めになって木村屋の「あんパン」が売れ出されて一般に知られるようになりましたが、主食ではなく、携行に便利なことから軍の携帯食として利用されました。現在のようなパン食は、第二次世界大戦後の学校給食に始まります。

製パン法

製パン法は、直捏法(じかごねほう)(ストレート法)と中種法(なかだねほう)が最も基本的な方法です。「直捏法」は、材料を一緒に混ぜて生地を作り、発酵、焼く方法です。ここでは、この方法を紹介しています。この方法はパンの風味が得られますが、こねるのが1回のみなので「中種法」に比べて生地の安定性に欠けるため厳密な作業工程の管理が必要となります。一方、「中種法」は、まず小麦粉の半量以上に酵母と水を加えて混ぜ合わせて中種を作ります。その後、4時間前後の発酵を行い、残りの小麦粉、砂糖、塩、油脂、水などを加えて、中種と一緒に混ぜて捏ね生地を作り、発酵、焼く方法です。この方法は、大型パン工場で利用されています。

こねるときの注意点

こね上がったときの生地の温度は、28~30℃にしてイーストの働きを良くします。水の温度を気温などに応じて調節します。ここでは、ぬるま湯(35~38℃)を2回に分けて入れました。ぬるま湯でなく、パンを美味しくするために卵を溶かした卵水を使うこともあります。レーズンやごまなどを入れる場合には、こね上がりに混ぜ込みます。
なお、和光中学校の実践授業では、(財)ベターホーム協会が推奨しているやぶれにくいビニール袋を使う方法で、こねています。

参考資料:
1.「ムギの絵本」、よしだひさし編/めぐろみよ絵、農文協
2.「パンの絵本」、かたおかふさこ編/やまふくあけみ絵、農文協
3.「基本の手作りパン」、竹野豊子、成美堂出版
4.「小麦・ふくらんでパン」、中西敏夫文/米本久美子絵、福音館書店