第4回 食と水泳教室
ミミスイミングクラブ品川会場

全国のスイマーに出張授業を行う「ニップン 食と水泳教室」。
第4回は、ケイ・アンド・エム・インターナショナル株式会社の運営するミミスイミングクラブ品川を会場に、5歳~13歳までの54名が参加しました。

「食と水泳教室」は子どもたちの健やかな成長のために、食育×水泳にフォーカスし開催している水泳教室です。

ゲスト講師TEACHER

宮下 純一(みやした じゅんいち)さん

宮下 純一(みやした じゅんいち)さん

北京オリンピック競泳男子100m背泳ぎ準決勝で、53.69秒のアジア・日本新記録を樹立、決勝8位入賞。同400mメドレーリレーでは北島康介・藤井拓郎・佐藤久佳選手と共に、日本チームの第1泳者として、銅メダルを獲得。その年の10月に現役を引退。JOCオリンピック・ムーブメントアンバサダーや、日本水泳連盟競泳委員を務めスポーツ界の未来を育てる活動にも力を入れている他、自らの経験を伝えるべく、全国各地で講演活動なども行っている。

田中 雅美(たなか まさみ)さん

田中 雅美(たなか まさみ)さん

競泳平泳ぎの日本代表として、アトランタ・シドニー・アテネとオリンピックに3大会連続出場。シドニー大会では400mメドレーリレーにて銅メダル獲得。
引退後はスポーツコメンテーターとしてテレビ・ラジオ等のメディア出演のほか、講演会、トークショーや水泳教室などで全国を回っている。
仕事と両立させながら、働く母としても日々奮闘中。

こばたてるみさん

こばたてるみ さん

株式会社しょくスポーツ代表取締役 公認スポーツ栄養士、管理栄養士
銀行や国立健康・栄養研究所勤務などを経て株式会社しょくスポーツを設立。競泳・柔道・女子サッカーのオリンピアン、Jリーグ、プロ野球、SVリーグ、陸上やモータースポーツなど多くのトップアスリートやジュニア選手の栄養サポートを実施。メディア出演やセミナー講師、企業の健康づくりにも関与。中・高ではバスケットボールで全国大会出場、現在はゴルフやマラソンを楽しんでいる。著書多数。一男一女の母。

食育の時間FOODS

公認スポーツ栄養士のこばたてるみさんをお迎えし、“アスリートとスポーツ栄養士から学ぶ!食育教室”を行いました。ニップンからはスパゲッティやマカロニを使った“パワーアップレシピ”を紹介しました。

苦手な食べ物も水泳と同じでチャレンジが大切

こばたさんが「みんな苦手な食べ物、嫌いな食べ物はある?何かな?」と聞くと子どもたちからは「ぎんなん」「マヨネーズ」「お肉」「ピーナッツ」「きのこ」という声があがりました。
宮下さんの子どものころ苦手だったものはミニトマト。
「嫌いだ、と言うと次の日から毎日出されるので、そう思われないように頑張って食べていた(笑)。でもそのおかげで小学校高学年のころにはなんでも食べられるようになりました」。
田中さんは「私は小学校の低学年ぐらいまではピーマンが苦手で…でも少しずつ食べていたら食べられるかも?となり、いまでは大好き。なんでも食べられた方が楽しくご飯が食べられますね」とコメント。
こばたさんは「お二人の言う通り!最初は泳げなくても練習すれば泳げるようになるのと同じで、食事もチャレンジすれば食べられるようになる、ということですね」と子どもたちにも苦手なものもまずは少し食べてみることを勧めました。

からだの中で焚火を燃やす

その後は、宮下さん、田中さんにハードな練習に打ち込んでいた中高生時代や選手時代に食事で意識していたことを話してもらいました。
こばたさんは、ホワイトボードに貼った焚火の絵を見せながら、頭や体を動かす時に必要な栄養素を説明しました。
「実は、からだの中で焚火を燃やすと早く泳げるようになります。みんなの体にある脂肪、これが薪です。薪を燃やすためには薪の上に紙を置いてマッチで火をつけて、うちわであおぐ必要がありますね。この紙にあたるのがごはんやパスタ、パン等の糖質です。マッチの役目は豚肉やあじ、鮭、アスパラに入っているビタミンB1、うちわの役目がビタミンB2です。これはサバやぶりなどの魚、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜、乳製品やうなぎ、枝豆などに含まれます。例えば簡単に取ろうと思うとミートソースパスタ。スパゲッティが糖質、ソースに含まれる豚肉がB1、上からかけるチーズからB2が摂れます」と具体的な食材やメニューも紹介しました。

練習も大事だけどごはんも大事 バランスよい食事を楽しんで

最後に宮下さんと田中さんは、改めてスポーツをする上で「食べる」ことの大切さを子どもたちに伝えました。
宮下さんは「僕はみんなぐらいのとき、めちゃくちゃ食べていました!お金なくなるからやめて!っていうぐらい(笑)。勝ちたいなら、練習も大事だけどごはんも大事。ごはんを食べないと絶対に勝てない。ぜひ好き嫌いせずにばくばく食べてメダルをとって帰ってきてください」とエール。
田中さんは、「量だけではなく、バランスのいいごはんをとりましょう!アイスもケーキも食べていいけれど、それだけではなく、ごはんとたんぱく質であるお肉やお魚、そして野菜を意識して。そうすればなりたい体に近づいていけるんじゃないかな、と思います。ごはんは楽しみながら、ちょっとだけバランスを意識してほしいな」と子どもたちにメッセージをおくり、食育の時間は終了となりました。

水泳の時間SWIMMING

宮下さん、田中さんのお二人もプールに入り、デモンストレーションや指導を行いました。

オリンピアンの泳ぎが目の前に!

宮下さんは背泳ぎ、田中さんは平泳ぎのデモンストレーションを見せてくれました。
ひとかきで「すーっ」とたくさん進むオリンピアンの泳ぎを目の前で見た子どもたちは大興奮。
その後の練習メニューでも、宮下さん、田中さんはレーンを移動しながら子どもたちに直接指導を行いました。

大切なことは「ぶれないまっすぐな姿勢」

宮下さんが「泳ぎで一番大切なことは何だと思う?」という質問を投げかけると、子どもたちから「キック!」「速く泳ぐこと!」などいろいろな答えが聞こえてきました。
宮下さんの答えは「姿勢」。
ぶれないまっすぐな姿勢が大切だと教えてもらいました。
まずは、水中に立った状態で「まっすぐな姿勢」の練習をしました。

ワニに食べられないように!

次に、宮下さんに水中での「けのびの姿勢」を見せてもらいました。
まっすぐに遠くまで進む姿はさすがオリンピアン!その姿を真剣に見てイメージをつかんだ子どもたちは、さっそくけのびの練習をしました。
プールの底にある青い線の上をまっすぐ進めるように、宮下さんから「青い線の外にはワニがいます!食べられないようにしてね!」というと、子供たちは「キャー!!」と大興奮。ワニに食べられないようにまっすぐ進む練習をしました。

丁寧に大きく手をかく

続いて、ビート板をもってキックの練習、その後手の練習をしました。
田中さんから「手がぐにゅぐにゅしてたらダメだよ。まっすぐ・大きく手を回してね。バシャバシャっと泡を立てないように、そっと手を戻して」とアドバイス。
子どもたちは、片手ずつ丁寧に水を掻く練習をしました。

最後はみんなで記念撮影

教室の最後に、宮下さん、田中さんと一緒にプールの中で記念撮影!
笑顔で水泳教室を終えました。