第5回 食と水泳教室
セントラル
スイムクラブ横浜

全国のスイマーに出張授業を行う「ニップン 食と水泳教室」。
第5回は、セントラルスイムクラブ横浜を会場に、9歳~18歳までの41名が参加しました。

セントラルスイムクラブ横浜での水泳教室

「食と水泳教室」は子どもたちの健やかな成長のために、食育×水泳にフォーカスし開催している水泳教室です。

ゲスト講師TEACHER

中村礼子(なかむら れいこ)さん

中村礼子(なかむら れいこ)さん

1982年5月17日横浜市生まれ。3歳から水泳を習い始め、中学2年で全国中学校水泳競技大会200m背泳ぎ優勝。湘南工科大学附属高等学校を卒業し、日本体育大学へ進学。大学4年でアテネ五輪100M背泳ぎ4位、200m背泳ぎ銅メダル。大学を卒業後は東京スイミングセンターに就職。2008年北京五輪100m背泳ぎ6位、200m背泳ぎ銅メダル。五輪で2大会連続メダル獲得は日本の競泳女子では72年ぶり。2分7秒13は現在も日本記録として残っている。引退した現在は東洋大学と日本体育大学で非常勤講師をしながら水泳普及に努めている。

坂井聖人(さかい まさと)さん

坂井聖人(さかい まさと)さん

2016年リオデジャネイロ五輪で、200mバタフライ銀メダル獲得
2014年世界水泳 200mバタフライ4位
2017年世界水泳 200mバタフライ6位
アジア選手権 200mバタフライ優勝
2014年から2017年インカレ200mバタフライ4連覇
2024年に現役を引退し、子どもから大人まで幅広く指導を行なっていく。

食育の時間FOODS

坂井さんと中村さんが学生~選手時代の “食と体づくり”について、ご自身の経験を基にお話しいただきました。ニップンからはスパゲッティやマカロニを使った“パワーアップレシピ”を紹介しました。

食事の工夫で体を育てる

坂井さんは、学生時代にたくさん食べて体を大きくしようとしていたことを明かしました。「たくさん食べることを意識していました。夜にはお米を二合半も食べることがあったんです」と笑顔で振り返ります。嫌いなグリーンピースも、栄養のために鼻をつまんで頑張って食べていたというエピソードには、会場からも共感の声が上がりました。
中村さんは、子どもの頃は食べるのが遅かったと振り返りました。「お母さんがいろいろな料理を作ってくれたので、好き嫌いなく食べていました。夜ごはんにはおひたしや味噌汁、ご飯、おかずなどを食べていました」と、バランスのよい食事の大切さを強調しました。中学生になると、自分でも栄養バランスを考えるようになったそうです。

食べる時間の工夫

続いて、食事のタイミングについての話題に移りました。坂井さんは、朝の練習前に軽くパンなどを食べ、練習後にはしっかり栄養を補給していたと語ります。「食べ過ぎると練習中に気持ち悪くなることがあるので、朝は軽めにしていました」と、実体験を交えながら説明してくださいました。学校が終わった後の練習では、事前におにぎりやバナナ、羊羹などの簡単に食べられて消化に良い食べ物を少しずつ食べるようにしていたとのことです。
中村さんも、学校の後にスイミングクラブに通っていて、夜の練習が21時に終わることも多かったと話します。「家に帰ってから夕ご飯を食べると22時ごろになることもありました。夜に食べ過ぎると翌朝胃もたれしてしまうので、食事の内容を気にかけていました」と、忙しい日常の中での食事管理の工夫をお話しくださいました。

試合前の食事

試合前の食事について、坂井さんと中村さんは共通の意識を持っていました。坂井さんは「試合の前日や当日は脂質を控え、エネルギーになる糖質をしっかり摂るようにしていました。揚げ物や生ものは避けていました」と、試合に向けた食事の重要性を強調してました。
中村さんも、試合の朝には炭水化物をしっかり取るようにしていて、お餅を食べることが多かったと話しました。また、試合後にはタンパク質をたくさん摂って体を回復させることを心がけていたと語られました。

食事と休息の大切さ

イベントの後半では、休息の重要性についても触れられました。坂井さんは「休みの日にはしっかり寝て体を休めることを大切にしていました。土曜日・日曜日は友達と遊びたかったけれど、月曜日からしっかりと頑張るために、休むことを優先したこともあります」と、自己管理の大切さを語りました。
中村さんも、移動時間を利用してこまめに休むことを心がけていたと話し、選手としての経験を交えながらアドバイスを送りました。

最後に

イベントの締めくくりとして、坂井さんは「皆さん、夢を持っていますか?小さな目標をひとつひとつ達成して、その先にある夢を持ち、夢をかなえていってほしい」と力強いメッセージを送りました。中村さんも「いろいろな人との出会いを大切にしてください。自分にとっての刺激やヒントが得られるかもしれません」と、参加者たちに向けて温かい言葉をかけ食育教室は終了となりました。

水泳の時間SWIMMING

坂井さん、中村さんのお二人もプールに入り、デモンストレーションや指導を行いました。

オリンピアンの技を間近で体験!

水泳教室では、中村さんと坂井さんがそれぞれの得意な泳ぎを披露し、子どもたちを魅了しました。坂井さんによるバサロキックのデモンストレーションを行い、中村さんから「15mをオーバーしないように、キックの回数をしっかり数えることが大事」とアドバイス。坂井さんは「僕は正直数えていなかったです!体に15mの感覚をしみ込ませていました!」とユーモアを交えながら指導しました。子どもたちは、オリンピアンの泳ぎを目の前で見て大興奮。潜って水中からじっくり観察する姿も見られました。

バタフライのコツを学ぶ

バタフライの練習では、動作のタイミングが重要であることが強調されました。坂井さんは「イルカになった気持ちで前に体重を乗せて進むことが大事」と説明し、体をしっかり使ってキックのタイミングを合わせることを指導しました。そのほかにも「みぞおちから下で蹴る意識を持つことがポイント」と具体的なアドバイスを提供しました。

背泳ぎでは体幹とキックを意識

中村さんからは背泳ぎのコツを教えていただきました。「ポイントは、お腹の下に力をいれることと上半身がぶれないように体幹を意識すること。キックは、足の甲に水をしっかりとあてるように!体が沈まないように、一つずつ丁寧にやっていこう」と指導し、子どもたちは真剣に取り組んでいました。

オリンピックメダルに触れる貴重な体験

最後には、オリンピックのメダルを間近で見るだけでなく、実際に触らせてもらう機会がありました。子どもたちは、メダルの重みを感じながら、オリンピアンの偉大さを実感している様子でした。笑顔で記念撮影を行い、水泳教室は大成功で幕を閉じました。