雑豆類は欧米では低GI食品として認識されています。GIは食後血糖上昇度を示す指標で、基準食を摂取後2時間の血糖曲線下面積(IAUC)を100としたときの検査食のIAUCの比率(%)として示されます。表1の基準食はグルコース50g(グルコースのGI:100)で、大豆が16と最も低く、いんげん豆24、ひよこ豆28、レンズまめ32となっています。大豆が最も低GIですが、低GIの定義は55以下なので、これらの雑豆類はすべて低Gl食品ということになります。
また、乾燥豆には、ラフィノース族オリゴ糖といわれる難消化性オリゴ糖が平均3~7%含まれ、えんどうやひよこ豆は大豆よりも多いことが報告されています。
ラフィノース族オリゴ糖とは、スクロースの構成糖であるグルコースにガラクトースがα1,6結合した構造をもつ難消化性オリゴ糖で、ラフィノースやスタキオースなどがあります。このα1,6結合はヒト消化酵素で切れないため、そのまま大腸に移行してビフィズス菌のエネルギー源となり、それらの日常的な摂取による整腸作用が期待されます。
難消化性オリゴ糖の様に、ヒトにとって有用な菌を増殖させるはたらきを有する成分をプレバイオティクスといい、特定保健用食品の関与成分でもあります。
さて、2016年の国際マメ年に、FAO(国際連合食糧農業機関)が『雑豆類を食べることを推奨する10の理由』を公表しました。その日本語訳を以下に示します。
雑豆にはいろいろな種類があり、大豆よりも微量栄養素を多く含むものもあります。例えば、ひよこ豆は葉酸、レンズ豆は鉄・亜鉛・セレンを多く含みます。
海外には様々な豆食文化があり、おいしくヘルシーな豆料理がたくさんあります。そこで、今回はひよこ豆を使用したレシピを2つ紹介します。雑豆の料理を食生活に取り入れて、健康度のアップを目指しましょう!
パコラ(インド風天ぷら)
材料(4人分)
・野菜(かぼちゃ、さつまいも、じゃがいも、しいたけ、えりんぎ、ししとう、ピーマンなど)400g
・ひよこ豆の粉 100g
・カレーミックス粉(あるいはガラムマサラ)大さじ1
・食塩 小さじ1杯
・水 180~200g
・揚げ油 適量
作り方
①ボールにひよこ豆の粉、カレーミックス粉と塩を入れ、そこに水を加えて生地を作る(ホットケーキ生地と同じくらいの粘度)。
②かぼちゃやさつまいもは7~8mm厚さ、ししとうは縦半分に切って種とヘタを除き、しいたけは石づきを取って4等分して水気をよく切る。
①の生地に材料をくぐらせ、中温(170-180℃)でカラッと揚げる。
フムス
材料(3人分)
・ひよこ豆 乾燥100g、缶詰やパウチなどの場合は220g
・にんにく 1片分
・レモン汁 大さじ1.5
・白練りごま 24g(大さじ1.5)
・塩 小さじ1/2
・ひよこ豆のゆで汁 大さじ1.5
【トッピング用】
・オリーブオイル 大さじ2
・パプリカパウダー 適宜
・パセリ(みじん切り) 適宜
作り方
①ひよこ豆を洗い、たっぷりの水に一晩浸ける。
②①をザルにあげ、約3倍量の水でやわらかくなるまで約1時間ゆでる(アクを取りながら)。
③②をザルにあげ(ゆで汁は少し取っておく)粗熱をとる。薄皮を取り除くと、より滑らかな舌触りになる。
④ゆでたひよこ豆と刻んだにんにくをフードプロセッサーに入れ、粗めのペーストになるまで撹拌する。
⑤④にひよこ豆のゆで汁(または水)、白練りごま、レモン汁、塩を加えてなめらかなペーストになるまで撹拌する。
⑥器に盛り、好みでオリーブオイル、パプリカパウダー、パセリのみじん切りをトッピングする。