体重コントロールのために朝食や昼食を抜くケースが見受けられます。筋肉は、合成と分解を繰り返す組織です。朝食欠食のまま筋力トレーニングをする実験では、昼食を食べても筋分解の継続がみられました(図1、尿中の筋分解マーカー3-メチルヒスチジンの量を測定)1)。つまり、エネルギー不足の状態で筋トレをすると、筋たんぱく質が分解してエネルギー源として使われる可能性が考えられ、筋トレの効果が減少してしまうという事です。
出典:参考文献1
寝ている間にエネルギー源となる肝臓のグリコーゲンが枯渇しますので、なるべく運動前、難しい場合は運動後のなるべく早い段階で食事をとるようにしましょう。運動後の摂取タイミングについて、カゼインと砂糖と乳脂肪からなる栄養ドリンクを用いて、運動直後と3時間後を比較した研究があります。筋グリコーゲンや筋たんぱく質の回復には運動直後の方が効果は高かったとしています(図2、3)2)。運動後になるべく早めに食べた方が良いのは、そうした理由によるものです。しかし、激しい運動の直後は、体内で分解や合成など代謝が活発な状況にあり、胃が食物を受け付けない事がありますので、スポーツドリンクや栄養補助食品のゼリーを利用しても良いでしょう。食事は、クールダウンをしてシャワーを浴びるなどして落ち着いてからとると良いですね。筋グリコーゲンの蓄積量は、スタミナと関連があると考えられています。炭水化物を減らす食事が流行っているようですが、低炭水化物状態が続くと、運動後の筋グリコーゲン量の回復が遅れ3)、疲労やけがの原因になることがあるので注意が必要です。
出典(図2、図3):参考文献2
参考文献
1.Yasuda J et al., Breakfast before resistance exercise lessens urinary markers of muscle protein breakdown in young men: A crossover trial. Nutrition 83, 111088, 2021.
2. Levenhangen DK et al., Postexercise nutrient intake timing in humans is critical to recovery of leg glucose and protein homeostasis. Am J Physiol Endocrinol Metab, 280(6), E982-993, 2001.
3.Costill DL and Miller JM, Nutrition for endurance sport; carbohydrate and fluid balance. Int J Sports Med,1, 2-14,1980.