体は食べ物からできている。ポイントは朝食!
「為末さん、今朝は何を召し上がりましたか?」「今日はお茶漬けを食べました」と、まずは朝食の話題から話を始めたこばたさん。子ども達にも質問を投げかけました。「今日、朝食を食べてきた人!」
すると大多数の子どもが手を挙げました。続いて「朝食でごはんやパン、パスタ、シリアルなど主食と呼ばれるものを食べた人!」と聞かれると、8割以上の子が挙手。 「ハムやウインナー、卵焼き、納豆など、主菜と呼ばれるものを食べた人は?」と聞かれると少し人数が減り、「サラダや煮物、味噌汁などでお野菜を食べた人は?」という質問にはパラパラと手が挙がる程度に。
こばたさんはまず子ども達に、食べ物の重要性について語りました。為末先生も「爪を見てみて。この爪は何からできていますか? 髪の毛をひっぱってみて。 手のひらを見てみて。これらは全部、みんなが3ヶ月前に食べたものでできているんですよ。特にスポーツ選手は体が資本ですから、僕も食べ物にはものすごく気をつかっていましたね」と現役時代を振り返ります。
こばたさんは地元・佐賀のJリーグチーム、サガン鳥栖の選手や、日本一になったラグビー選手の食事を写真で紹介しました。 続いて小学6年生男子の例を挙げ、強いサッカーチームで活躍する男子がバランスよく摂っているのに対して、そうでない男子が丼一品しか食べていないのがわかると会場爆笑。 「この2人は同じ身長、体重、同じ練習量なのに身体能力に差が出ています。やはり食事は大事。特に朝食をしっかり食べることがポイントです」
朝食の重要性について、こばたさんは「①体温を上げる ②体と頭にエネルギーを与える ③体調を整える」という3大効果を挙げました。 「私たちの体は寝ている間に一度体温を下げています。朝食を食べないと体温が下がったままなので、頭がぼーっとしたりケガをしてしまいがち。 ですから朝に卵焼きやウインナーなど体を温めるタンパク質が大事です。また体に栄養を与えるのは、パンやごはんなどの炭水化物。 そして、みんな今日はウンチ出たかな? ウンチは汚いよね、その汚いものがお腹の中にずっとあったら調子が悪くなるよね。毎日いいウンチを出すには野菜をちゃんと摂ることが大切です」
また、ニガテな食べ物がある人は口内炎や風邪になりやすい、ウンチが毎日出ない、頭がぼんやりする、というアンケート結果を紹介。 為末さんも「僕がみんなと同じくらいの時にオリンピック選手に『好き嫌いがあるとオリンピックには出られない』と言われたんです。 その言葉を信じて嫌いなものも食べるようになりました」という、子どもの頃のエピソードを披露しました。
試験や試合、ここぞ!という時の勝負メニューとは。
いろんな栄養素をバランスよく摂りたいのは山々ですが、受験、卒業と大事なイベントを控え、毎日忙しい小学6年生には難しいことも。そんな子ども達に、こばたさんから「簡単にできるおすすめメニュー」が紹介されました。
「たとえば卵かけごはんや納豆ごはんに、キムチや漬け物をつけるといいですね。卵や肉、魚などのタンパク質が摂れない時は、牛乳やヨーグルトでもいいです。 主食のごはん、主菜の肉・魚、副菜のサラダや煮物に加えて、運動をする人はもう1品、フルーツなどを加えるといいですね。また運動後は筋肉が傷ついているので、タンパク質がしっかり摂れて、食欲がない時でも食べやすい麻婆豆腐がおすすめです」
では、ここぞという時にはどんな食事がいいのでしょうか。「レース前にはどんな“勝負食”を召し上がっていましたか?」とこばたさんに尋ねられた為末先生は 「オリンピックなどでは1週間前から炭水化物を減らして、最後の3日間で増やしていく“カーボローディング”と呼ばれる食事法を行っていました。 当日はお腹に食事がたまらないよう腹八分目にして、試合の合間はオレンジジュースなどを飲んでいた」と独自の食事法を披露。
こばたさんによると、試合前などの大事な時は「お腹は減っても、はってもダメ」。たとえば、おにぎり1個は消化に約2時間かかりますが、バターなどの脂質は12時間もかかるため、 試合前にはエネルギーに変わりやすい炭水化物がベスト。「食事は試合の2〜3時間前。タイミングもあると思いますので、時間が迫っている時は消化のいいものを選ぶなど上手に摂ってほしい」と語りました。
また試合1時間前など直前は果物やゼリーなど吸収の速いもので糖質を摂り、試合後はすぐにタンパク質を補給すること。 こばたさんはコンビニメニューを例に出して「試合前はあんまん、試合後は肉まん。おにぎりなら試合前は焼きおにぎりや野沢菜、試合後は鶏五目や牛すきなどがおすすめ」とアドバイス。 為末先生も「僕はよく味噌汁に何でも入れていたんですが、100%のものをたまに作るよりも、80%のものを毎日続けることのほうが大事。毎日の中でできることを探してほしい」と保護者の方々にエールを贈りました。
最後に、岸本校長から1日の総評がありました。 「夢に目的と手段があるという為末先生のお話、大変勉強になりましたね。 今日語ってくれたみなさんの夢を、いっぱいふくらませてほしいと思っています。決して急ぐ必要はありません。ゆっくり一歩ずつ階段を上っていってください」
そして為末先生からもメッセージが贈られました。 「食べることは全ての基本。しっかり食べて、そこから夢に向かってがんばってください。 そして自分の目標は誰を幸せにしたいのかということを、これから考えていってほしいなと思います」 子どもより花束が贈られ、爲末大学食育学部の全授業が終了となりました。
「為末さん、今朝は何を召し上がりましたか?」「今日はお茶漬けを食べました」と、まずは朝食の話題から話を始めたこばたさん。子ども達にも質問を投げかけました。「今日、朝食を食べてきた人!」
すると大多数の子どもが手を挙げました。続いて「朝食でごはんやパン、パスタ、シリアルなど主食と呼ばれるものを食べた人!」と聞かれると、8割以上の子が挙手。 「ハムやウインナー、卵焼き、納豆など、主菜と呼ばれるものを食べた人は?」と聞かれると少し人数が減り、「サラダや煮物、味噌汁などでお野菜を食べた人は?」という質問にはパラパラと手が挙がる程度に。
こばたさんはまず子ども達に、食べ物の重要性について語りました。為末先生も「爪を見てみて。この爪は何からできていますか? 髪の毛をひっぱってみて。 手のひらを見てみて。これらは全部、みんなが3ヶ月前に食べたものでできているんですよ。特にスポーツ選手は体が資本ですから、僕も食べ物にはものすごく気をつかっていましたね」と現役時代を振り返ります。
こばたさんは地元・佐賀のJリーグチーム、サガン鳥栖の選手や、日本一になったラグビー選手の食事を写真で紹介しました。 続いて小学6年生男子の例を挙げ、強いサッカーチームで活躍する男子がバランスよく摂っているのに対して、そうでない男子が丼一品しか食べていないのがわかると会場爆笑。 「この2人は同じ身長、体重、同じ練習量なのに身体能力に差が出ています。やはり食事は大事。特に朝食をしっかり食べることがポイントです」
朝食の重要性について、こばたさんは「①体温を上げる ②体と頭にエネルギーを与える ③体調を整える」という3大効果を挙げました。 「私たちの体は寝ている間に一度体温を下げています。朝食を食べないと体温が下がったままなので、頭がぼーっとしたりケガをしてしまいがち。 ですから朝に卵焼きやウインナーなど体を温めるタンパク質が大事です。また体に栄養を与えるのは、パンやごはんなどの炭水化物。 そして、みんな今日はウンチ出たかな? ウンチは汚いよね、その汚いものがお腹の中にずっとあったら調子が悪くなるよね。毎日いいウンチを出すには野菜をちゃんと摂ることが大切です」
また、ニガテな食べ物がある人は口内炎や風邪になりやすい、ウンチが毎日出ない、頭がぼんやりする、というアンケート結果を紹介。 為末さんも「僕がみんなと同じくらいの時にオリンピック選手に『好き嫌いがあるとオリンピックには出られない』と言われたんです。 その言葉を信じて嫌いなものも食べるようになりました」という、子どもの頃のエピソードを披露しました。
「たとえば卵かけごはんや納豆ごはんに、キムチや漬け物をつけるといいですね。卵や肉、魚などのタンパク質が摂れない時は、牛乳やヨーグルトでもいいです。 主食のごはん、主菜の肉・魚、副菜のサラダや煮物に加えて、運動をする人はもう1品、フルーツなどを加えるといいですね。また運動後は筋肉が傷ついているので、タンパク質がしっかり摂れて、食欲がない時でも食べやすい麻婆豆腐がおすすめです」
では、ここぞという時にはどんな食事がいいのでしょうか。「レース前にはどんな“勝負食”を召し上がっていましたか?」とこばたさんに尋ねられた為末先生は 「オリンピックなどでは1週間前から炭水化物を減らして、最後の3日間で増やしていく“カーボローディング”と呼ばれる食事法を行っていました。 当日はお腹に食事がたまらないよう腹八分目にして、試合の合間はオレンジジュースなどを飲んでいた」と独自の食事法を披露。
こばたさんによると、試合前などの大事な時は「お腹は減っても、はってもダメ」。たとえば、おにぎり1個は消化に約2時間かかりますが、バターなどの脂質は12時間もかかるため、 試合前にはエネルギーに変わりやすい炭水化物がベスト。「食事は試合の2〜3時間前。タイミングもあると思いますので、時間が迫っている時は消化のいいものを選ぶなど上手に摂ってほしい」と語りました。
また試合1時間前など直前は果物やゼリーなど吸収の速いもので糖質を摂り、試合後はすぐにタンパク質を補給すること。 こばたさんはコンビニメニューを例に出して「試合前はあんまん、試合後は肉まん。おにぎりなら試合前は焼きおにぎりや野沢菜、試合後は鶏五目や牛すきなどがおすすめ」とアドバイス。 為末先生も「僕はよく味噌汁に何でも入れていたんですが、100%のものをたまに作るよりも、80%のものを毎日続けることのほうが大事。毎日の中でできることを探してほしい」と保護者の方々にエールを贈りました。
最後に、岸本校長から1日の総評がありました。 「夢に目的と手段があるという為末先生のお話、大変勉強になりましたね。 今日語ってくれたみなさんの夢を、いっぱいふくらませてほしいと思っています。決して急ぐ必要はありません。ゆっくり一歩ずつ階段を上っていってください」
そして為末先生からもメッセージが贈られました。 「食べることは全ての基本。しっかり食べて、そこから夢に向かってがんばってください。 そして自分の目標は誰を幸せにしたいのかということを、これから考えていってほしいなと思います」 子どもより花束が贈られ、爲末大学食育学部の全授業が終了となりました。