運動や勉強に朝食に大切な理由って?
「為末さん、今朝は何を召し上がりましたか?」とこばたさんが質問すると、「おかゆとハム、卵焼き、筑前煮を食べてきました」と為末先生。毎日朝食はしっかり食べているそうですが、「みんなはどうかな?」とさっそく子ども達にアンケート調査です。 まず「朝食を食べてきた人!」と聞くと、ほとんどの子ども達から手が挙がりました。続いて「ごはん、パン、パスタといった主食を食べてきた人は?」と聞くと、こちらも多くの子ども達が挙手。 ところが「では卵焼き、ウインナー、焼き魚、納豆などを食べてきた人!」とこばた先生がたずねると、一気に激減。さらに「野菜や海藻、きのこ料理を食べてきた人」になると、ほとんどいないという結果になりました。
「みなさん主食はしっかり食べてきていますが、野菜や卵は少ないようですね。まず考えてほしいのは、みなさんの体はすべて食べ物からできているということです。 さきほどの夢の授業ではサッカー選手になりたいという人が多かったようですが、Jリーグ選手の食事を見てみましょうか」と、こばたさんはサッカー選手のある日の朝食と夕食の内容をスライドで紹介。
ボリュームたっぷりの食事に子ども達の視線が集中しましたが、「現役時代は僕もこれくらいの量は食べていましたね。肉と野菜、ごはんを中心にバランスよく食べるようにしていました」と為末先生。 さらにラグビー選手の食事が紹介され、「体の大きなラグビー選手は1食に2000kcal近い食事を摂っています。大人の女性が1日に食べる量の食事を、たった1食で食べちゃうんですよ」という話に、子ども達もビックリ。
続いて小学6年生男子の例を挙げ、強いバスケットチームで活躍する子と、あまり強くないチームの子の食事が写真で紹介されました。 強いチームの男子がいろんな料理を食べているのに対して、もうひとりの男子は丼だけ、と違いは明らか。「この2人は同じ身長、体重、同じ練習頻度なのに体力測定で大きな差が出ています。 それだけしっかり食べるということが大事なんですね」とこばたさん。
食事の中でも特に大切なのは朝食。朝食には①体温を上げる、②頭に栄養を補給する、③体調を整えるという3つの働きがある、とこばたさんはいいます。
「即座に体を温めるのは、ごはんと焼き魚、どっちだと思う?」と質問すると、多くの子ども達が「ごはん」と答えました。正解は、焼き魚。 「ウインナーでもハムでも牛乳でもいいから、タンパク質を食べておくと体がよく温まります」とこばたさんからアドバイスがありました。
子ども達が答えたごはんは、頭の栄養補給になる食べ物。為末先生は「選手時代は毎食ごはんを2〜3杯食べていた」といいますが、ごはんやパン、パスタを毎食しっかり食べると、エネルギー源となって体や頭を動かしてくれます。 さらに「みんな、今日はウンチしてきた?」とこばたさん。「ウンチは汚いよね。そのウンチが体の中にずっとあるとよくないよね。しっかり食べて、しっかり動いて、しっかりウンチを出すことが大事。 バナナ状のウンチが出たら今日は調子がいいなってガッツポーズしてね!」とトイレでのチェック方法を説明しました。
また「夜遅く寝る人は朝食を食べない人が多い」というデータを紹介。為末先生も「今でも夜11時には寝ます。小学時代は8時に寝ていたので、『8時だヨ!全員集合』が見れないのが悩み(笑)」だったとか。 朝食をきちんと摂って早寝早起きすることが大事だということが、子ども達にもよくわかったようです。
ここぞ!という時の効果的な食べ物、食べ方。
では具体的にどんな食事を摂ればいいのか、実践方法を考えます。
すべての栄養素を毎日網羅するのは大変なので、食材を上手に組み合わせて栄養を摂ってほしいとこばたさんはいいます。「たとえば油は悪者にされがちですが、体にいい働きをするものがあります。特にアマニ油は魚に多く含まれている、頭がよくなると言われるDHAと同じタイプの油が豊富なのでおすすめ」とのこと。
また食べ物といえば好き嫌いはつきものですが、実際に「小学生の4人に1人は好き嫌いがある」という調査結果が紹介されました。好き嫌いがある人には口内炎ができやすい、風邪をひきやすい、ウンチが出にくいといったトラブルが多いため、一口でもいいから嫌いなものを食べてほしい、とこばたさんといいます。
ここで河瀬小学校の給食の残食状況がグラフで紹介され、牛乳を残している人が圧倒的に多いことがわかりました。「特に1月はすごく残しているみたいだけど、どうしちゃったの?」とこばたさんがたずねると「冷たいから!」と子ども達。「牛乳は筋肉や骨を作るタンパク質がたくさん含まれています。タンパク質の摂取量が少ない人は身長が低い、というアンケート結果もあります。摂りすぎても大丈夫だけど、足りないと体に影響があるのでしっかり摂ってほしいな」とこばたさんが話すと、為末先生も「温めて飲むのはどう? ハチミツを入れるとおいしいんじゃないかな」と飲み方を提案しました。
さらに「試合や試験などの大事な日に、どんな食べ方をすれば効果的?」という、気になるお話も。為末先生は大事なレースの時に「炭水化物をしっかり摂って、当日はジュースやフルーツを食べていた」とのことですが、炭水化物に含まれる糖質はエネルギー源になる大切な栄養素。しっかり摂ることが重要ですが、糖質をエネルギーに変えるビタミン類を合わせて摂ることも大事だとこばたさんはいいます。「逆に油は胃に留まっている時間がすごく長いので、糖質の吸収を高めるためには油ものや揚げ物は控えめにするといいでしょう」とアドバイスしました。
試合の後は、筋肉が傷ついているのでタンパク質をすぐに補給することが大事。「運動前はあんまん、運動後は肉まん、と覚えてください。運動前は糖質がたくさん入っている炭水化物を、運動後はタンパク質を中心に摂りましょう」とこばたさん。では具体的にコンビニのおにぎりやサンドイッチではどのメニューがいいのか、クイズ形式で選び方を学びました。
為末先生からは「みんなの体は3ヶ月前に食べたものでできています。3ヶ月前にポテトチップスを食べたら、それが今の体になっているんだね。今日勉強したことを生かして、ぜひこれからもがんばってください」とメッセージが贈られました。
最後に、北沢校長から総評。
「食べることは大切だとわかっていても、なかなか生活に結びつかないことが多いもの。あんまん・肉まんなどのお話などを思い出して、ぜひ実践してください。今日学んだ夢と食事方法を糧に、自分の道を進んでいけるよう期待しています」
これで爲末大学食育学部の授業は終了となりました。
「為末さん、今朝は何を召し上がりましたか?」とこばたさんが質問すると、「おかゆとハム、卵焼き、筑前煮を食べてきました」と為末先生。毎日朝食はしっかり食べているそうですが、「みんなはどうかな?」とさっそく子ども達にアンケート調査です。 まず「朝食を食べてきた人!」と聞くと、ほとんどの子ども達から手が挙がりました。続いて「ごはん、パン、パスタといった主食を食べてきた人は?」と聞くと、こちらも多くの子ども達が挙手。 ところが「では卵焼き、ウインナー、焼き魚、納豆などを食べてきた人!」とこばた先生がたずねると、一気に激減。さらに「野菜や海藻、きのこ料理を食べてきた人」になると、ほとんどいないという結果になりました。
「みなさん主食はしっかり食べてきていますが、野菜や卵は少ないようですね。まず考えてほしいのは、みなさんの体はすべて食べ物からできているということです。 さきほどの夢の授業ではサッカー選手になりたいという人が多かったようですが、Jリーグ選手の食事を見てみましょうか」と、こばたさんはサッカー選手のある日の朝食と夕食の内容をスライドで紹介。
ボリュームたっぷりの食事に子ども達の視線が集中しましたが、「現役時代は僕もこれくらいの量は食べていましたね。肉と野菜、ごはんを中心にバランスよく食べるようにしていました」と為末先生。 さらにラグビー選手の食事が紹介され、「体の大きなラグビー選手は1食に2000kcal近い食事を摂っています。大人の女性が1日に食べる量の食事を、たった1食で食べちゃうんですよ」という話に、子ども達もビックリ。
続いて小学6年生男子の例を挙げ、強いバスケットチームで活躍する子と、あまり強くないチームの子の食事が写真で紹介されました。 強いチームの男子がいろんな料理を食べているのに対して、もうひとりの男子は丼だけ、と違いは明らか。「この2人は同じ身長、体重、同じ練習頻度なのに体力測定で大きな差が出ています。 それだけしっかり食べるということが大事なんですね」とこばたさん。
食事の中でも特に大切なのは朝食。朝食には①体温を上げる、②頭に栄養を補給する、③体調を整えるという3つの働きがある、とこばたさんはいいます。
「即座に体を温めるのは、ごはんと焼き魚、どっちだと思う?」と質問すると、多くの子ども達が「ごはん」と答えました。正解は、焼き魚。 「ウインナーでもハムでも牛乳でもいいから、タンパク質を食べておくと体がよく温まります」とこばたさんからアドバイスがありました。
子ども達が答えたごはんは、頭の栄養補給になる食べ物。為末先生は「選手時代は毎食ごはんを2〜3杯食べていた」といいますが、ごはんやパン、パスタを毎食しっかり食べると、エネルギー源となって体や頭を動かしてくれます。 さらに「みんな、今日はウンチしてきた?」とこばたさん。「ウンチは汚いよね。そのウンチが体の中にずっとあるとよくないよね。しっかり食べて、しっかり動いて、しっかりウンチを出すことが大事。 バナナ状のウンチが出たら今日は調子がいいなってガッツポーズしてね!」とトイレでのチェック方法を説明しました。
また「夜遅く寝る人は朝食を食べない人が多い」というデータを紹介。為末先生も「今でも夜11時には寝ます。小学時代は8時に寝ていたので、『8時だヨ!全員集合』が見れないのが悩み(笑)」だったとか。 朝食をきちんと摂って早寝早起きすることが大事だということが、子ども達にもよくわかったようです。
では具体的にどんな食事を摂ればいいのか、実践方法を考えます。
すべての栄養素を毎日網羅するのは大変なので、食材を上手に組み合わせて栄養を摂ってほしいとこばたさんはいいます。「たとえば油は悪者にされがちですが、体にいい働きをするものがあります。特にアマニ油は魚に多く含まれている、頭がよくなると言われるDHAと同じタイプの油が豊富なのでおすすめ」とのこと。
また食べ物といえば好き嫌いはつきものですが、実際に「小学生の4人に1人は好き嫌いがある」という調査結果が紹介されました。好き嫌いがある人には口内炎ができやすい、風邪をひきやすい、ウンチが出にくいといったトラブルが多いため、一口でもいいから嫌いなものを食べてほしい、とこばたさんといいます。
ここで河瀬小学校の給食の残食状況がグラフで紹介され、牛乳を残している人が圧倒的に多いことがわかりました。「特に1月はすごく残しているみたいだけど、どうしちゃったの?」とこばたさんがたずねると「冷たいから!」と子ども達。「牛乳は筋肉や骨を作るタンパク質がたくさん含まれています。タンパク質の摂取量が少ない人は身長が低い、というアンケート結果もあります。摂りすぎても大丈夫だけど、足りないと体に影響があるのでしっかり摂ってほしいな」とこばたさんが話すと、為末先生も「温めて飲むのはどう? ハチミツを入れるとおいしいんじゃないかな」と飲み方を提案しました。
さらに「試合や試験などの大事な日に、どんな食べ方をすれば効果的?」という、気になるお話も。為末先生は大事なレースの時に「炭水化物をしっかり摂って、当日はジュースやフルーツを食べていた」とのことですが、炭水化物に含まれる糖質はエネルギー源になる大切な栄養素。しっかり摂ることが重要ですが、糖質をエネルギーに変えるビタミン類を合わせて摂ることも大事だとこばたさんはいいます。「逆に油は胃に留まっている時間がすごく長いので、糖質の吸収を高めるためには油ものや揚げ物は控えめにするといいでしょう」とアドバイスしました。
試合の後は、筋肉が傷ついているのでタンパク質をすぐに補給することが大事。「運動前はあんまん、運動後は肉まん、と覚えてください。運動前は糖質がたくさん入っている炭水化物を、運動後はタンパク質を中心に摂りましょう」とこばたさん。では具体的にコンビニのおにぎりやサンドイッチではどのメニューがいいのか、クイズ形式で選び方を学びました。
為末先生からは「みんなの体は3ヶ月前に食べたものでできています。3ヶ月前にポテトチップスを食べたら、それが今の体になっているんだね。今日勉強したことを生かして、ぜひこれからもがんばってください」とメッセージが贈られました。
最後に、北沢校長から総評。
「食べることは大切だとわかっていても、なかなか生活に結びつかないことが多いもの。あんまん・肉まんなどのお話などを思い出して、ぜひ実践してください。今日学んだ夢と食事方法を糧に、自分の道を進んでいけるよう期待しています」
これで爲末大学食育学部の授業は終了となりました。