JOB & PEOPLE
PROJECT 03
ニップンの世界戦略を支える
海外プロジェクト
託されたASEAN市場の開拓
ニップンの冷凍生地をタイから世界へ
経済成長著しいASEAN諸国へ、ニップンの冷凍生地の普及拡大を――
東南アジア・タイから始まった、ニップンのグローバル戦略の足がかりとなる重要なミッション。成功のカギを握る人材育成とタイのお客様への提案活動は、どのように推進されたのだろうか。現地におけるキーパーソンの話から、プロジェクトの現在地と未来像を紐解いていく。
Profile
海外事業本部海外事業部(出向)NIPPN FOODS CORPORATION (THAILAND) LTD.
Y.M
入社14年目。NIPPN FOODS CORPORATION (THAILAND) LTD.でベーカリー向けプレミックスと冷凍生地の開発を担当。タイだけでなく、ASEAN各国の市場への提案活動を行う。
海外事業本部海外事業部(出向)NIPPN (Thailand) Co.,Ltd.
N.M
入社4年目。NIPPN (Thailand) Co.,Ltd.にて、冷凍生地工場の製造・品質管理を担当。原材料や包装資材、人件費といった商品の原価の管理、製造・品質管理の技術指導及び現場での作業、新製品の導入対応等を現地スタッフと共に行う。
思い描いていた戦略が不調に
高い需要に応えるための戦略強化
ニップンでは2006年にタイに製造会社を設立し、プレミックスの製造・販売をしています。元々タイはGDPの約20%が観光業の国。それだけにホテルやレストラン、カフェ向けの冷凍生地は高い需要があります。そこで当社でも2020年に冷凍生地製造工場を稼働させましたが、新型コロナウイルスの流行にともなう観光業の不振、製造ノウハウ不足などにより、当初思い描いていた予測とは程遠い結果となりました。そのため、現地スタッフに冷凍生地のノウハウを伝え、タイでの戦略を強化するためにスタートしたのが、本プロジェクトです。
最高の品質実現に必要な「人の力」
顧客の評判を高める製造の秘密
プロジェクトの第一目標は、ニップンの冷凍生地の有用性をタイのお客様に理解してもらうこと。その中で大きな課題として取り組まなければいけなかったのが、価格の折り合いです。商品提案時に、フィードバックとして美味しいという意見は多かったものの、品質の安定やオペレーションの簡便化により人件費の削減に繋がるといった冷凍生地の有用性は理解してもらえず、安価での販売を求められるケースが多々ありました。
そこでまずは地道にそのメリットを営業活動で伝えることを徹底。タイではニップンの認知度も低く、お客様へのメリットを伝えることは簡単ではありません。
製造面では、技術指導や製造効率の改善ができる人材を加え、品質を保ちながら工場の製造効率を上げ、原価を出来る限り抑えていきました。現地の管理職とは英語でコミュニケーションをとっており、その管理職を通じて現地スタッフに用件を伝えています。英語では伝えきれない微妙なニュアンスや表現は、現場に張り付いて簡単なタイ語やボディランゲージ、図、動画等を駆使して意志疎通を図っています。あくまでも言語は伝えるための手段であり、同じイメージを持っているか、同じ方向を向いて業務を遂行できているかを大事にしています。
また、最近は製造担当もお客様との商談の場に参加し、お客様のニーズが製造現場にも行き届くように心がけています。このようにそれぞれの工程を縦割りではなく、営業、開発、製造の各部門が一体となってお客様へアプローチすることで、ニーズをしっかりと汲み取った商品を提案していることも評判アップのひとつと考えています。
与えられた条件で最高の品質を
タイから「Japan Quality」を世界へ
タイを始めとしたASEAN諸国では、日本と比較しても原材料のコストを厳しく見るお客様が多い傾向にあります。それだけに大切なのが、限られたコストの中で最高の品質を実現すること。お客様からのニーズを受け止め、チーム一丸となってお客様に満足いただける商品づくりを進めることは、最も重要なテーマとして捉えています。プロジェクト推進によって現地でも冷凍生地における「Japan Quality」が浸透しつつある中で、世界の台所とも言われるタイから、価格・品質とも認められる冷凍生地を世界に発信する未来を、しっかりと描いていきます。
OTHER PROJECTS
その他のプロジェクト