わかる!ニップン— 成長戦略 —
2024年度 事業計画
今後の国内経済は、物価の上昇に対して賃金の改定や雇用環境の改善が段階的に進むことにより、内需を中心に緩やかに回復していくものと考えられます。
一方で、中東を中心とする地政学リスクの悪化懸念や円安の長期化により、エネルギー価格や原材料価格は引き続き高水準で推移することが予想されており、これらが企業業績に与える影響は不透明です。
このような状況下、当社はブランド力の強化や差別化した商品の展開に注力するほか、生産拠点の整備・拡充や事業の取得・提携を推進することにより、売上・収益の向上を図ってまいります。
積極的な投資戦略
ニップンは、ニップンブランドを冠した製粉事業をコア事業としています。さらに、ニップン・オーマイ・オーマイプレミアム・レガーロブランドの加工食品や冷凍食品をはじめ、食品素材、中食で構成される食品事業や海外事業を成長ドライバーとして、幅広い分野へ事業を展開しています。
これまで大型臨海工場の整備・強化、省エネロボット化など積極的な投資を実施してまいりました。
2023年度は、当社グループ全体の製粉事業の総合力をより一層高め、海外事業の更なる拡大へ繋げていくため、Utah Flour Milling,LLC(ユタ新工場)へ25%の出資をしたほか、伊勢崎の冷凍食品ライン改修、PT.NIPPN PRODUCTS INDONESIA プレミックス工場新設、研究開発拠点用地の取得を実施し、国内外において事業の強化・拡大を進めました。
2022-2026中期目標期間の投資額は、1,200億円程度としています。
食文化をリードするベンチャー・スピリットは、ニップンに息づく創業以来のDNA。強固な財務体質がこれを下支えしています。
創業時:明治の最先端ベンチャー企業
- 1897年(明治30年)
- 扇橋工場でロール式製粉機による近代的製粉工場を稼働
現在まで:大型臨海工場の整備・強化に積極投資
- 1924年
- 横浜工場竣工(日本最初の大規模臨海工場)
- 1925年
- 小樽工場竣工
- 1928年
- 名古屋工場竣工
- 1974年
- 神戸甲南工場竣工
- 1978年
- 千葉工場竣工
- 1985年
- 福岡工場竣工
- 1994年
- 千葉工場の小麦製粉製造設備能力増強(Cミル完成)
- 1995年
- 阪神淡路大震災で神戸甲南工場が被災、
能力を増強して年内に復興達成 - 2006年
- 千葉工場にて工場能力強化(Dミル完成)
- 2010〜2012年
- 神戸甲南工場製粉ライン増強をはじめとする
総額200億円の設備投資 - 2014年
- 千葉工場の原料穀物サイロ収容能力増強
食品事業の拡大・強化に積極投資
<中食事業>
- 2017年
- 埼玉県日高市に工場新設
- 茨城県土浦市に新会社設立
- 2019年
- 愛知県知多に新工場建設
<プレミックス事業>
2020年
福岡工場にプレミックス工場新設
2023年
PT.NIPPN PRODUCTS INDONESIA プレミックス工場新設
<冷凍食品事業>
2020年
伊勢崎冷食第2工場新設
NIPPN(Thailand)Co., Ltd. に冷凍生地工場新設
2023年
伊勢崎工場ライン改修
<製粉事業>
2023年
Utah Flour Milling,LLC(ユタ新工場)へ出資
今後の投資予定
Pasta Montanaライン増強 (海外) ~2024年
オーケー食品工業新ライン (食品事業) ~2024年
神戸甲南工場増強(製粉) ~2024年
知多新工場建設(製粉) ~2026年
冷凍食品の供給能力拡大(冷凍食品) 検討中
パスタの供給能力拡大(食品) 検討中
プレミックスの供給能力拡大(食品) 検討中
海外プレミックスの供給能力拡大(食品) 検討中
海外拠点の拡大・再構築に積極投資
ニップンはグローバルな総合食品企業を目指し、海外事業を推進しています。
2026年度中期目標
国内外でのM&A・事業提携の活用による事業規模の拡大
事業成長のスピードアップを図るため、既存の経営資源を活用するだけではなく、M&Aや事業提携により外部資源を獲得し、成長を推進してまいります。
現在、海外での新たな取り組みや新規投資について検討を進めています。
大型投資については、機関決定後に都度開示していく予定です。
5,000億円企業を目指して
長期ビジョン
ニップングループ「長期ビジョン2030」
先に策定した、売上高5,000億円・営業利益250億円規模までの成長を目指す経済的価値の追求に加え、社会的価値の創造にも注力するため、当社のありたい姿と取り組みの方向性を整理し、2030年度までに達成することとしました。
経営理念の実現に向け、新たな長期ビジョンは「ニップングループは、総合食品企業として、食による社会課題の解決に挑み続けます」と定めました。
長期ビジョンの成長戦略
総合食品企業として、多岐にわたる原材料と、それらをさまざまな技術を用いて展開することで、多様化する社会課題の解決に挑み続けます。経済的価値を追求する事業成長戦略と社会価値創造戦略の両輪が噛み合いながら成長の原動力となり、長期ビジョンの達成を目指していきます。
2030年までのロードマップ
「長期ビジョン2030」を目指すべき姿として長期的な課題に取り組み、SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)を推進するため、DX(デジタル・トランスフォーメーション)の更なる活用を図り、企業価値の向上を目指していきます。
2022-2026 中期目標の修正
当社は、生産性の向上、販売数量増、価格改定の浸透を背景に、2023年度実績が当初目標を上回ったことから、新たな数値目標を設定いたしました。
2026年度までに、売上高 4,500億円・営業利益 210億円(償却前利益 358億円)、ROE 8%以上、ROIC 5%以上の達成を目標とします。
基盤領域の収益力強化、成長領域および新規事業領域の戦略投資、M&Aや事業提携機会の追求などを戦略の基本方針とし、事業を展開していきます。